小型船舶の検査
小型船舶の検査制度について
船舶の構造、設備等に関する要件は、法律(船舶安全法)に規定されており、船舶の所有者はその所有する船舶を航行させる場合、これらの要件を満たす義務を負うとともに、これを定期的にチェックするための国の船舶検査(以下「船検」といいます。)を受けることが義務付けられています。
総トン数20トン未満の船舶を小型船舶といい、この小型船舶の船検と登録は日本小型船舶検査機構(JCI)が国の代行機関として実施しています。
船検に合格した小型船舶に対しては、最大とう載人員等航行上の条件を定めた「船舶検査証書」、検査の時期などが記載された「船舶検査手帳」及び船舶の両舷に貼付けて船検に合格したことを表示する「船舶検査済票」1組が交付されます。
検査の種類
定期検査
初めて船舶を航行させるとき又は船舶検査証書の有効期間が満了した時に受ける精密な検査
中間検査
定期検査と定期検査との間に受ける簡単な検査で船舶の用途等により実施時期が異なります
臨時検査
改造、修理又は設備の新替え等を行ったときに受ける検査
臨時航行検査
船舶検査証書の交付を受けていない船舶を臨時に航行させるときに受ける検査
検査の時期
定期検査・中間検査
定期検査及び中間検査は一定の周期で受けるもので、その時期は用途等に応じ以下のようになっています。
これら定期的な検査の受検時期は、中間検査で6ヶ月、定期検査で3ヶ月の受検時期があり、この間に受検すれば次回検査の受検時期が繰り上がることはありません。受検時期以前に受検した場合は、次回検査の時期が繰り上がります。
臨時検査・臨時航行検査
臨時検査又は臨時航行検査は、その必要が生じた際に随時受検するもので以下のような場合に受検しなければなりません。
臨時検査
- 以下のような改造、修理、取替えなどを行うとき
・船の長さ、幅又は深さを変更する改造
・船体の強度、水密性及び防火性に影響する改造又は修理
・かじ、操舵装置の改造
・主機又は機関の主要部(クランク軸、プロペラ軸など)の取替え
(但し、船舶検査手帳に指定されている船外機等と取替える場合は不要)
・法定備品の取替え等
(但し、予備検査又は検定に合格した備品と取替える場合は、膨張式救命筏等を除き不要)
・復原性又は操縦性に著しい影響を及ぼすおそれのある改造又は修理
・海難や火災などで、船体、主機又は機関の主要部に重大な損傷を受けたとき - 船舶の航行区域、最大とう載人員等船舶検査証書に記載された航行上の条件を変更するとき
(技術基準が変わる場合) - 船舶検査手帳に指定された臨時検査の時期がきたとき
臨時航行検査
- 船舶検査証書の交付を受けていない船舶を検査等のため受検地へ回航するとき
- 船舶検査証書の交付を受けていない船舶を試運転等により止むを得ず臨時に航行させるとき
検査対象となる船
総トン数20トン未満の以下のような小型船舶が検査の対象となっています。
エンジン付の船
- モーターボート
- 機付ヨット
- 水上オートバイ
- 遊魚船漁船(12海里より遠くへ行くもの)
- 小型兼用船
- 旅客船
- 交通船
- 作業船
- その他の船舶(貨物船等)
エンジンのない船
- ヨット(20海里より遠くへ行くもの)
- 被曳客船
- 被曳遊魚船
- ろかい客船(旅客定員7人以上)
検査対象外となる船舶
検査対象外となる船舶
1.エンジンのない船
(1)ろ・かい・さお のみで運転する船舶
[ただし、7人以上の旅客の運送を行うものは免除されない。]
(2)エンジンを有さない長さ12メートル未満の帆船
[ただし、国際航海に従事するもの、沿海区域を超えて航行するもの、危険物ばら積船、特殊船及び旅客の運送を行うものは免除されない。]
(3)エンジン及び帆装を有さない長さ12メートル未満の船舶
[ただし、国際航海に従事するもの、沿海区域を超えて航行するもの、危険物ばら積船、特殊船、エンジンを有する他の船舶に押されるものであって押船と堅固に結合して一体となる構造を有するもの及びエンジンを有する他の船舶に引かれ又は押されて旅客を運送するもの(次に掲げるものを除く。)は免除されない。]
1.旅客の定員が3人以下であって次に掲げる水域のみを航行するものであること
・湖(沼、池を含む)又はダム、せき等で貯留された水域で50平方キロメ-トル以下のもの
・告示で定める以下の湖
能取湖、屈斜路湖、風蓮湖、洞爺湖、小川原湖、十和田湖、浜名湖、宍道湖
・以下の海域の一部(告示で定める水域)
中海、浦ノ内湾、江田島湾、羽地内海
2.引かれ又は押される船の長さに応じ当該他の船舶のエンジンの出力が以下の範囲内であること
・長さ5メートル未満、7.4キロワット以下
・長さ5メートル以上、15 キロワット以下
2.エンジン付きの長さ12メートル未満の船舶(帆船を含む)のうち次のもの
[ただし、潜水船、水中翼船、エアクッション艇などの特殊船及び危険物ばら積船は免除されない。]
(1)次の要件を全て満足する小型船舶
1.旅客の定員が3人以下
2.船外機船であって船の長さに応じ出力が以下の範囲内であること
・長さ5メートル未満、3.7キロワット以下
・長さ5メートル以上、7.4キロワット以下
3.次に掲げる水域のみを航行するものであること
・湖(沼、池を含む)又はダム、せき等で貯留された水域で50平方キロメ-トル以下のもの
・告示で定める以下の湖
能取湖、屈斜路湖、風蓮湖、洞爺湖、小川原湖、十和田湖、浜名湖、宍道湖
・以下の海域の一部(告示で定める水域)
中海、浦ノ内湾、江田島湾、羽地内海
(2)長さ3メ-トル未満であって、エンジンの出力が1.5キロワット未満の小型船舶
3.災害発生時のみに使用される救難用船舶(国又は地方公共団体の所有する船舶のみ)
4.係船中の船舶 (係船届けを出して船舶検査証書を返納した船舶)
5.告示で定められた次の水域のみを航行する船舶
・モ-タ-ボ-ト競走法の競艇場の水域(全国24カ所)
・モ-タ-ボ-ト競走選手訓練用水域(愛知県碧南市)
・モ-タ-ボ-ト競走選手訓練用水域(福岡県柳川市)
・「東京ディズニ-ランド」内の人工池(千葉県)
・「東京ディズニ-シー」内の人工池及び人工水路(千葉県)
・「ニューレオマワールド」内の人工池(香川県)
・「ポルトヨーロッパ」内の人工池及び人工水路(和歌山県)
・「パルケエスパーニャ」内の人工池及び人工水路(三重県)
・「ナガシマスパーランド」内の人工池及び人工水路(三重県)
・「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」内の人工池及び人工水路(大阪府)
6. 海岸から12海里以内の海域及び内水面で従業する小型漁船
(漁船登録を有するもので、漁業以外の用途に使用されないものに限る。)